今回の快適めしのお店)
御食事処マロニエ亭
住所)山梨県南アルプス市清水467
営業)ランチタイム 11時30分~14時
ディナータイム 17時~23時
休日)第1・3・5火曜日、第2・4火曜日の午後
突然ですが、皆さんレジャーは海と山、どちら派でしょうか。山に近い田舎で育って山が当たり前すぎる環境にいたので、海という響きに特別なものを感じてしまううっしーです。とは言いながら、今回の「快適めし」の舞台は日本有数のキャンプ地を誇り、今後キャンパーの聖地になりそうな山梨県南アルプス市。「山梨の匠」彩羽工藝舎様からご紹介をいただいた、地元の人々に親しまれている「快適めし」に迫ります!
山梨の匠にお話しを伺った後ということで、「快適めし」としても一番移動距離の長い取材になりました。前回とは打って変わって、見渡す限り山、山、山。正面に見えるのは「南アルプス」赤石山脈の前衛峰、櫛形山です。これは凄い迫力・・・!山梨県は甲府を中心とした盆地になっていて、甲府へ向かう電車から見える周囲の山々が迫りくるような景色も印象深いのですが、こうして直に麓から見ると厳然として圧倒されます。そして、目的地に向けて道なりに進んでいくと・・・
鋭角にそそり立つ白銀の御姿が。そう、富士山です!先端しか見えないにも関わらず、抜群の存在感に足が止まります。こうしてじっくり見たのは初めてだったのですが、やっぱりぐっとくるものがありますね。さて、そろそろ目的地が見えてきました。
こちらが今回の目的地「御食事処マロニエ亭」です!しっかりとした店構えにも素朴な感じが出ていて、なんだかよさそうな雰囲気ですよね。たまたま隣に停めてあったスクーターが、またいい味出してますよ。では、暖簾を潜っておじゃまします!
お店に入ると、結構なお客さんで賑わっていました。作業着を着ている人も多く、現場から昼食を食べに来ているようで、地元で働く人々から愛用されている様子。匠が紹介するのも頷けます。店内にはお座敷や大広間もあり、昼食から宴会まで、様々なシーンで利用されているそうです。提灯風の電灯がいい雰囲気出してます。
お隣の作業着のお二人がボリューム満点の定食を黙々と食べていました。見ているとそろそろ堪らないのでこちらも注文することにしましょう。メニューを開くと、焼肉定食にかつ丼、カツカレーと、実にお腹を満たしてくれそうな料理でいっぱいです。そのなかでも、ハンバーグは特製でこちらのお店自慢の一品とのことで、それは食べないと後悔しそう!この特製手ごねハンバーグを定食でお願いします!
【「手ごねハンバーグ定食200g(ご飯おかわり自由)」¥930―(税込)】
「お待たせしました~」との掛け声とともに、お待ちしておりました今回の「快適めし」!ご飯大盛りは標準仕様で、平日ならおかわり自由。たくさん食べてと言わんばかりの心遣いがとても嬉しい!そして、お味噌汁も具沢山で優しい味が体に沁みる~。さてさて、メインのハンバーグに向かいましょう。ボリューム満点のハンバーグに、専用のソースをかけてと・・・。
うーん、なんとも香ばしい香り!外はこんがり焼かれて、中はやわらか。口に入れるとひき肉と玉ねぎがほろほろとほぐれて、ジューシーかつなんとも優しい味わいです。手ごねだからこそ伝わる実直さが、心も満たしてくれますね。このボリューム満点の料理が山梨の匠、そして地元で働く人々の心身を支えていることがよくわかる、まさに地元のチカラ飯でした。ごちそうさまです!
【重要文化財 安藤家住宅(国指定文化財)/山梨県南アルプス市】
せっかく遠くまで来たので、食後の運動がてら少し散歩を・・・と思って探索していると、興味深い建物を見つけました。これは「安藤家住宅」という、宝永5年、なんと1708年に建てられた江戸時代の住宅なんだそうです!多少の修復工事は行われているものの、300年以上消失せずに残っている貴重な木造住宅で、まさに江戸時代の「匠」の技術の結晶と言えるでしょう。
相当に年季が入って重厚感のある柱や梁、そして木組みを見ていると当時の「匠」の思いが伝わってくるようで、ぐっと感慨深い気持ちになります。地元を支える「匠」がいて、その手掛ける住まいが地域に根付き、受け継がれていくこと。「匠」を支える「快適めし」を追っていて、まさに理想的なありかたの一つに巡り合えた気がする今回の取材でした。