今回の快適めしのお店)まじ満(まじま)
住所)東京都足立区千住仲町40-1
営業)11時~22時
休日)第1・3月曜日、第2・4日曜日


会員工務店様への取材や仕事で伺った街で気になるお店に立ち寄り、こだわり料理と匠の住む町の魅力をお伝えする「快適めし」。最近よく質問されることが多いのですが、私うっしーこの取材は全て自腹を切っております!自分の財布をかけた乾坤一擲の覚悟を、文章から感じてもらえれば幸いです(笑)。今回は2月以来の特別編として、東京の要注目エリアで見つけた「快適めし」を紹介します。

今回仕事の関係で訪れたのは、東京都足立区の北千住駅です。足立区というと、今まで飲み屋街があり、女性だけで歩くのが少し不安、街が少し古臭いなど、少しネガティブなイメージで語られがちだったのですが、この北千住エリアは若者の住みたい穴場の街として近年話題に上がることが多い、密かな人気スポットなのです!

まず足立区最大のターミナル駅として4社5路線が利用できる交通の便の良さが魅力の一つとして挙げられます。歴史的にも日光街道の宿場町として栄えた北千住には、今でもその名残が色濃く残っていて、道幅や区画が狭い場所が多いのです。商店街を歩いていると、下町情緒に溢れる庶民的で親しみやすい雰囲気を感じました。

そして、防犯対策等の行政の取り組みや駅前の再開発が進み、現代的な建造物やお洒落な飲食店が増えるなど、新しく暮らしやすい街並みに整備されつつあることです。都心から程よく離れているため賃貸も手ごろで、4つの大学がキャンンパスを構えるようになったため、大学生・ファミリー層からの人気が高まっているそうです。確かに、東京電機大学のキャンパスがある東口駅前広場は綺麗に整備されていたり、街中では若い夫婦を多く見かけたりと、先行したイメージとは違う様相には驚かされました。新旧の街並みが入り混じる発展途上の期待感が、北千住エリアの人気の理由と言えそうです。

新しく生まれ変わりつつある北千住を散策するなかで、私うっしーは未だ残っている下町の風景に強く心を惹かれていました。新しいお洒落なお店もいいけれど、古き良き下町らしい一品はないものかと駅から15分ほど歩いていると、ふと見かけた「うなぎ」の文字。・・・こ、これだ!!鰻と言えば、庶民的に親しまれてきた江戸の食文化の象徴です。それを歴史的な下町の一角で味わえるとなると、考えるだけでたまりませんね!
今回はこちら「まじ満(まじま)」におじゃまします!

中にはいると、常連らしきご年配のお客さんが数名、料理人と談笑しているところでした。昼間からキリンの中瓶を片手に、先週行われた競馬の話を肴に飲んでいるようで、実に下町らしい感じです。いかにもな場面に出くわせて少しテンションが上がります。この感じ、こういう雰囲気を求めてたんですよね~。

さて、お品書きを拝見。うーむ、さすがにそれなりに値段が張ります。一時期、鰻の高騰がニュースになっていたし、やはりという感じですが、ただ食べたいと思ったものは食べたい!ということで、自分の懐事情を踏まえてここは鰻丼に決めました。こちらのお店では注文を受けてから蒸しを入れて本焼きに入るため、相応に時間がかかるとのこと。厨房の煙を見ながら、耐え難い20分が経とうとしたその時・・・。


■うな丼(ランチ時は小鉢・味噌汁・お新香付)        ¥1,650(税込)

来ました、今回の「快適めし」!昭和31年の創業以来、地元北千住で愛され続けてきた伝統の一品です。創業から注ぎ足して使われてきたという秘伝のタレとじっくり焼かれて溶けだした脂が光り輝き、飾らない佇まいがむしろ貫禄を感じさせます。どうやら、この北千住エリアでは、鰻は宿場町の時代から精をつけるために好んで食べられていたとのこと。そんな時代に思いをはせつつ、歴史と伝統が込められた鰻丼、いただきましょう!

こ、これは・・・。じっくり焼き上げられてふわっとしているのに身崩れしない絶妙な火入れ加減!柔らかな身から溢れる脂が秘伝のタレと絡み合って本当に美味しい・・・。口に含むたび目の奥にフラッシュが焚かれるかのような衝撃、柔らかく瑞々しい旨味が口中に広がっていきます。手間暇かけて丁寧に焼き上げるとここまで違うとは・・・。甘辛ですっきりしたタレはご飯との相性も抜群で、山椒を加えていただくとそれだけで何杯でも食べられる、もはや一つの料理として成立しています。非常にバランスのとれた完成度の高い鰻丼でした、ごちそうさまです!

今回、鰻を食べようと思った理由がもう一つありました。それは今年の1月頃、鰻(ニホンウナギ)の漁獲量が激減し絶滅の危機に瀕しているというニュースが報じられたことです。今回訪れた「まじ満」は老舗といえるお店ですが、気取らない雰囲気のなか、創業以来受け継がれてきた味と熟練の技を楽しむことができました。しかし、この鰻を食べることが近い将来できなくなるかもしれないのです。古くから地域に根ざした料理人が、長年培ってきた技術をもって伝統の味を守っていく。個人的に、その文化はなくなってほしくないなと思います。
その思いは、『快適住実の家』が地域の工務店を全力で応援していくという理念にも通じているかもしれません。これから『快適住実の家』は地域に根ざし、確かな技術を持つ工務店様の魅力をエンドユーザーへ伝える取り組みを行っていきます。気持ちを新たに、匠=工務店様をもっと盛り上げていきたいと、そう決意を新たにした今回の「快適めし」でした。

Written by うっしー
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