有限会社三和建設|常務取締役 羽田 直哉 氏|北海道網走郡大空町

【プロフィール】
プロフィール) 北海道網走郡大空町出身。大学卒業後、札幌市で土木関連会社で施工管理業務を担当。その後2010年に地元大空町に戻り父である徳一氏が経営する(有)三和建設に入社。入社後は、女満別地区に合ったやり方を模索しながらも、積極的に公式WEBサイトを立ち上げたり、オープンハウスでのPRを行うなどの改革を着実に進める若き2代目経営者。休日には、2人のお子さんが所属するバスケットチームの応援を行なうなど良き家庭人でもある。
モットー/「努力/継続は力なり。」
特技/野球(大学まで公式野球部で活躍しました)
趣味/子供のバスケットボールチームの応援 好きな漫画/「スラムダンク」


■ 「このエリアは家造り以外にも、農業・漁業関連施設のリフォームなども多い」

Q)(有)三和建設の業務内容と特徴について教えてください。

弊社は、父が起こした会社で創業23年になり私で2代目になります。家造りに関する設計・施工をメインに、新築とリフォームを行っています。場所柄、農業や漁業に従事する方も多く、仕事として牛舎や漁場の浮き用倉庫の改築など特殊な依頼も来たりします。

■ 「戻ってきたら、大変だった。家造りの仕事は人と人を繋ぐ仕事だと実感した」

Q)この仕事に就いたきっかけを教えてください。

実は祖父がこの大空町で元々建築の仕事をしていたので、小さい頃から身近な仕事と感じていたとは思います。しかしどうしても建築をやりたいという気持ちは特にはなかったですね。大学は札幌市だったので卒業後も札幌で、土木関連の会社に就職し現場の施工管理に従事していました。実はその会社にいる時にきっかけがあって、新規部門として建築部門が立ち上がったんです。そこから建築を勉強するようになりました。そうしたら、面白くてどんどんはまっていき、気づいたら家業を意識するようになっていました。今から、8年前に地元に戻り父の会社(有)三和建設に入社しました。

Q)土木工事の施工管理をされていたのなら共通する点も多いのでは?

う~ん。もちろん、知識として生かせる時もあります。小さな町なので家の前の舗装のお話とかあったりすると対応もできますし、役立ってる部分もあります。ただ、商売としては土木と建築は全然違いましたね。公官庁相手と違い一般のお客様が相手ですからね。はじめは、本当、大変でした。お客様にどう思われているかを意識すること自体中々できなくて、失敗もしました。そうした経験があって今は、家造りは人と人を繋ぐのが大変でもあり面白い仕事だと思っています。


【公式ホームページ/企業コンセプトとして「オホーツクスピリッツ」の文字が。】

■ 「この女満別地区に適した「集客スタイル」を常に模索しています」

Q)公式ホームページには、「オホーツクスピリッツ」の言葉がありますが。

はい。戻ってきて会社にホームページがない状態だったので、まずは必要だと思いとりかかりました。その際、意識したのはウチらしさをイメージできる言葉です。本州と違う北海道で、しかも札幌ではなく地方のこの大空町で仕事をしていく意味を、言葉に込められないかなと。極寒の町で暮らす、地元の人たちにとって必要な存在でありたい。地元の工務店でないとダメだと言われたい。そんな想いで、「オホーツクスピリッツ」という言葉を載せました。

Q)施工実績のページでは、タイトルをつけたり、写真枚数も多く使うなど工夫もされていますが。

はい。実はこれは、妻のアドバイスなんです。私は、プロの仕事としてこの写真を載せとけば大丈夫だろうと考えた構成を妻に見せたところ「私、シロウトだから。これじゃ全然わからないよ。」と言われて・・・。「ああ、そっか~!」と気づかされましたね。お客様の視点で、モノを考え情報を伝えることがやはり欠けていたんですね。そこで、それぞれ設計時にテーマとした言葉をモチーフにしてタイトルをつけ、お客様に少しでも何かを感じてもらえるようにと写真も多く入れこみました。

Q)お客様の反応はいかがでしょうか?

ホームページを見たお客様からは、わかりやすいと好評です。ただ、目に見えて集客に繋がったかというと難しいですね。エリア特性として、農家などが多く決裁権をもつ家長のほとんどが50代~60代の高年齢者が多いんです。もちろん、その下の20代~30代はネット世代でスマホやタブレットも使いこなすので、世代が変われば集客面でも徐々に影響力が大きくなるかもしれませんが、現在はまだネットの影響はそんなに大きくないと感じています。ただ、将来の為に弊社のホームページも、もっと情報を充実させて改良していきたいとは考えています。


【公式ホームページ/施工実績「ロフトのある家・外観」】

Q)オープンハウスなどのPR活動もされているそうですが。

はい。1年1回程度ですが、お客さまへの引き渡しのタイミングが合えば積極的に行うようにしています。ただ、一般のエリアと違って新規の方の呼び込みというよりは、知人などの見込み客の掘り起こしとしての役割となっています。家を建てる可能性のある農家が暮らす地域には、チラシのポスティングなどの業者もないので、ほぼ農家同士の口コミで集客を行っているのが現状です。

■ 顔が見える関係だからこそ、仕事がくる。それだけに、失敗は許されない。

Q)実際の新築の発注などは、ほぼ知人やご紹介などからですか。

そうですね。小さな町ですので、様々なコミュニティーでの関係から仕事に繋がることがとても多いです。私も、消防団、青年部、PTA、子供のバスケの事務局などたくさんの活動させてもらってますが、結果その延長でお仕事を頂くことが多いです。そう意味では、まだまだ人と人のつながりが深いエリアだと思います。それだけに、いい加減な仕事をすると「あそこは、いい加減だから・・・」といった批判も一気に広まり致命傷になります。いい意味でも、悪い意味でも、昔気質が残っているのだと思います。


【お客様との打合せ用プレゼンシート】

■ <いい家>に必要な条件は、お客様がストレスを感じないこと。

Q)最後に、羽田常務の考える“いい家”とは?

そうですね。お客様がストレスを感じないことが必要な条件かなと思います。設計のお打合せから始まり、施工中~お引渡し~その後の毎日の生活まで含め「家にストレスを感じない」と言ってもらえるように最善を尽くしたいですね。その為には、僕らプロだけの独りよがりでは決していい家にはなりません。お客さんと一緒に作り上げていかないと。その意味では、初期のお打合せからお客様が<ストレスを感じていないか=気になっている点がないか>を常に意識して進めています。先日3年前にお引渡しをしたお客様を訪問した際、気になる点をお聞きしたところ「まったく不満もストレスもないよ!」と言って頂きとてうれしかったです。ついニヤニヤしてしまって(笑)、何か学校のテストで、百点満点をとったような。
こんな気分味わうと、やめられないですね。やっぱり家造りは大変だけど、楽しいです!

取材後記)
北海道網走郡大空町にある事務所にお邪魔し取材させて頂きました。1年のうち約4ケ月を雪に覆われて現場の仕事が出来ないこの地区では、その時間をいかに有効に使うかが重要だとおっしゃった羽田常務。「現場が動かないからこそ、じっくりお客様と納得いくまで話し合うことができる。また冬の時期は、組合で除雪車に乗ってたりするんですが、その待ち時間なんかの雑談の際中にあそこの家もうすぐ建て替えしたがってるよと、情報が入ってきたりするんです。」とにこやかにお話頂いたのが印象的でした。
マイナスをプラスに変えるこのポジティブさが、まさに「オホーツクスピリッツ」なんですね。
北海道網走郡の信頼される「地元の小さな工務店」、若き2代目経営者でした。


(有)三和建設
〒099-2304 北海道網走郡大空町女満別公園6-1-19
TEL)0152-74-2651
E-Mail)info@sanwa-ozora.com
公式ホームページ → http://www.sanwa-ozora.com/