今回の快適めしのお店)ラーメン武蔵堂
住所)東京都町田市相原町3155-7
営業)10時30分~21時30分(15時~18時は休憩の場合有り)
休日)月曜日
私、うっしーは福岡出身ということで、ラーメンには煩いんです。自分では普通だと思っていたんですが、上京したばかりの頃、周りの友達とラーメンの好みが全く合わず、強烈にカルチャーショックを受けた記憶があります。以来、東京でお気に入りの店以外では基本ラーメンは食べないようにしていたんですが、今回の「快適めし」はそのラーメンです!今回冷静に取材できるか不安できるかな・・・。
「神奈川県相模原の匠」㈱佐藤工務店様からご紹介いただいた今回のお店はお隣の町田市にあるとのことで、取材帰りに早速向かいました。最寄りの相原駅では、近隣に大学が多いことから新入生らしい初々しい若者たちをたくさん見かけました。自分にもあんな時代があったのだなぁ~としみじみ思いながら町田街道沿いを進んでいくと・・・。
見つけました!ここが今回ご紹介頂いたお店「ラーメン武蔵堂」です。黄色い暖簾が目印になりました。見た目よくあるような店構えですが、チェーン店ではないのになんだか入りやすそうに感じます。この感覚、学生時代住んでたアパートの近所にあったラーメン屋のような何かふと立ち寄ってしまいたくなる、そんな感じを思い出します。さて、暖簾を潜っておじゃましてみます!
店内はL字カウンターのみのシンプルな造り、ザ・ラーメン屋って感じがいいですよね!店長と奥様の二人で切り盛りしているようですが、張り紙がいたるところに貼ってあったり、カウンターにはミニチュアやフィギュアが飾ってあったりと、何やらにぎやかな雰囲気です。さて、メニューを見てみましょう。そういえば、ここ何系のラーメン屋か聞いてなかったな。醤油、とんこつ、あるいは魚介系、一体どれだろう・・・?
おお、種類が多い!醤油ラーメンの味付けだけで3種類というのもさることながら、つけ麺やまぜそばまでありますよ。それぞれのメニューに説明書きがあって、麺の太さも選べるので、食べる側への気遣いが感じられます。好みに合わせられるのはうれしいですね。うっしーは、当然細麺派です!さて、このなかから1つとなるとなかなか悩みますが、ここは自分の直感でとり煮干し醤油ラーメンをチョイス!煮干し系は福岡にはない文化だけど、東京でラーメン食べるなら煮干し系が大体好みなんですよね~。
「へい、お待ちっ!!」ご主人の威勢のいい声とともに、今回の「快適めし」がやってきました!う~む、食欲をそそられるいい匂いだ。「ラーメン屋の広告は写真でも看板でもなく、匂いである」といううっしー的グルメ哲学からしても、控えめながらも上品な煮干しスープの香しさは、実にいい線いってます!すり鉢状の白い器といい、シンプルで品がいい感じですよね。さて一口啜ってみると・・・。
ずずずっ。あぁ~、これは優しい、優しいですよ。透明感がある煮干しスープに凝縮された鶏の旨味が麺に絡み付いて、身体中に沁み渡る!大学が近いということで、結構濃い目のガッツリ系かと思っていたら、予想をいい意味で裏切られましたね。このスープ、ペットボトルに詰めて持ち帰りたいくらい美味い!ちぢれ麺もしっかり小麦の風味が感じられて、スープと合わさると至高の満足感が味わえます。これは余計な調味料は足したくない、出されたままを味わうべきでしょう、ホントに素直でいい味なんです。
具材も非常にシンプル。個人的に東京のラーメン屋あるあると思っているのが、チャーシューにかなりこだわっていてすごく推してるんですが、チャーシューに力が入りすぎていてラーメンと合ってないというパターン。しかし、こちらのチャーシューは実に柔らかく、手間をかけているのが伝わりながらも、肉の旨味が煮干しスープ、麺と絶妙なバランスを取っていて、互いを引きたてあっていました。そして、久しぶりに見ました、ナルト。ナルトを入れているラーメン屋はめっきり少なくなったので、このクラシックな感じも逆に新鮮で素敵ですね。スープを飲み干したところで、ごちそうでした!
食後、店に入ったときから気になっていたカウンターの張り紙について、ご主人と奥様に聞いてみました。どうやら、メモ帳とペンがカウンターに置いてあって、待ち時間にお客さんが書いて残していくんだそうです。そのメモを見ていくと、ラーメンの感想、落書きやイラストだとか、この土地を離れていく卒業生のお店に対する感謝の書置きなど様々で、愛されているんだなーと感じます。さらには、地域の自動車整備工場や、少年野球チーム、家庭教師募集の宣伝が書いてあったりと、まさに地域の人々が情報を発信し合うコミュニティボードになっていました。
いろんなお話をしていると、ご主人から「あれ回していきなよ!」と言われ、何のことかと思ったらカウンターに設置されていたクジのミニ抽選機のことでした。
ご主人)「自己申告なんで一応聞きますけど、学生さんですか?」
うっしー)「はい、そうです!(本当は、もちろん社会人ですが…笑)」
ご主人)「よし!じゃあ、一回回してね~」
なんと、運が良ければラーメン代が無料になるチャンス!結果は見事に外れたのですが、「こんな見た目のクジだけど、お客さん喜んでくれるし、大体また来てくれるのよね~」と奥様がおっしゃっていたのがすごく印象に残っています。
今回訪れた「ラーメン武蔵堂」は地域の人々に愛され、地域の情報が集まってくる、まさにコミュニティスポットのようなお店でした。ラーメン自体の美味しさももちろんですが、メニューやクジに表れている顧客目線の意識や、ご主人と奥様の明るいお人柄が、来たお客さんが安心できる、常連になりたくなる雰囲気を作っているのではと思います。もし、同じようなコミュニティスポットに「工務店」がなることができれば、地域に根付き地域の人々に頼りにされる「匠」として、理想的なあり方ではないでしょうか。「地域密着」を考えるのにとても参考になり、刺激にもなった今回の「快適めし」ごちそうさまでした!