河野木材産業合資会社|代表社員 河野 光貴 氏|宮崎県児湯郡
宮崎県児湯郡出身。大学・大学院と経済学を専攻し、卒業後は大学講師としても活躍。その後、家業である現在の会社へ。「材木屋の作った木のお家」をキャッチフレーズに、新築施工費用だけでなく、住宅にかかる総コストを削ることに留意した設計プランで地元顧客から高い評価を得る。また材木屋としての利点を活かし、国産材をふんだんに使ったフリーデザインの木造住宅が評判となる。
モットー/今、やらなければならないことは何かを考える
家族/妻、長女(19歳)
趣味/JKCドッグショー参加(2019年ペディグリーアワード受賞)
■ 住宅にかかる総コストを削ることに留意し、少しでも無駄を省く家造り。
Q)河野木材産業(資)の業務内容と特徴について教えてください。
弊社の業務内容としては、木材の加工・販売と土地の販売~注文住宅・リフォームの設計・施工までの家造りに関することを行っています。特徴としては、創業以来50年以上の老舗材木屋としての利点を活かし、国産材をふんだんに使ったフリーデザインでの木造住宅にこだわっています。また、新築施工費用だけでなく、住宅にかかる総コストを削ることに留意し、少しでも無駄を省く家造りを心がけています。
【河野木材産業(資)製材所/宮崎県児湯郡】
■ ニーズを自分達から作ろうと考え、スタートした家造り。
Q)家造りの仕事をするきっかけは?
家業として、材木屋をやっていましたので、元々は家造りやることになるとは思っていませんでした。大学・大学院で経済学を専攻し、入社しました。しかし、当時(約35年前)業界を取り巻く状況が変わりつつあったんです。宮崎県にも大手ハウスメーカーが進出してきて、弊社の得意先である職人の大工さん達の仕事が、どんどん減り始め、それに合わせ建材商社などの競合他社もたくさん出店し始めていました。将来に対して先細り感を感じ、凄く不安になっていました。そこで、それならニーズを自分達で作ろうと、土地の仲介・購入から始め、依頼があったお客様に得意先の大工さんを斡旋する形から家造りの仕事に入りました。大工さんをサポートする意味合いの方が、強かったと思います。そこで、手掛けていくうちに「材木屋としていい木材を安く調達できる」ことでお客様に喜んでいただき、どんどん仕事が増え、気づいたら、家造りの面白さにはまっていました。お客様とイチから一緒に出来ることは楽しいですよね。材木屋としてプロの経験や知識も活かし、木材の良さを伝える家造りが出来るのですから。
Q)キャッチフレーズ「材木屋さんが造った木のお家」。どんな想いを込めたのですか?
これは、お客様に弊社の利点をわかりやすく伝えたいと考え決めました。「いいモノを安く提供出来る」ことをいかにイメージしてもらえるか。やっぱり「魚屋さんが作るお鮨」というのはわかりやすいですよね。魚のプロが目利きをして仕入れを行うから、いいモノを安く提供できるとすぐわかってもらえると思うんです。それと同じ発想ですよね。
【施工現場にて/職人との信頼関係が、河野代表の家造りの根幹。】
■ ブログの情報発信では、<フレンドリーで、わかりやすく>を大切に。
Q)現在、集客で工夫されていることは?
基本は、完成物件のオープンハウス見学会を行っています。その時に新聞の折り込みチラシなどで告知をしています。しかし、最近はお客様がどんどん変化しているのを感じます。最終的な受注の数は、変わっていないのですが、来客数が圧倒的に減りました。これは、まずネットで基本情報を収集するというスタイルが根付いたんではないかと考えています。以前は、何回か見学会に通って頂き、その後発注を頂くといった「積み立て貯金」型のお客様がいたのですが、今は見学会に来た時点で、ある程度の情報を持った方が来ているので、質問内容もより具体的になってきているように思います。
そこで、弊社でも、ブログやフェイスブックといったSNSでの情報発信には力を入れて行っています。ただ、小さな会社ですし、固くかしこまったお仕事情報を流しても弊社の雰囲気も伝わりにくいので、“フレンドリーで、わかりやすく”をテーマにコツコツやっています。最近、徐々にその手応えも感じ始めていますので、今後も続けていきたいと思っています。
【インタビュー時/右)奥様かおりさんは、お客様アドバイザー兼ブログ担当。】
■ 家造りは、街造り。エリアの方に、自分達から歩み寄っていかなければ。
Q)九州・宮崎のエリア特性として感じることは?
宮崎県といってもやはり都市部と郊外では、かなり違うと思います。我々は、郊外である児湯郡を中心に仕事をしていますので、まずは地元の環境に合わせた家造りを考えることがとても大切だと実感しています。木材を活かした家造りというと、どうしても費用がかかる高額商品のイメージがあるので、そこをきちんとエリアに合わせたカスタマイズをすることがとても大切に思います。
まず新築物件のコストを、どこまで抑えることができるかを真剣に考えなければなりません。その上で、永く住む中でトータルコストを抑える意識を持った家造りにも力を入れています。安くいい家を提供するというと、価格破壊のようなことを言われますが、このエリアで仕事をずっと続けていくということは、エリアの方に自分達から歩み寄っていかなければいけないと思うんです。僕らもここで暮らしているのですから。家造りは、やはり街造りだと考えています。手に入りやすい価格で、いい家を提供することで、たくさんの家が建ち、幸せな家族が増える。それが、自分達の住んいでるこのエリアを盛り上げることにもなると考えています。
【施工実績/LDK(愛らしさを詰めた南欧風の木の香のお家)】
■ しつこく営業しないから信用される。僕らと合うお客様と一緒にやりたい。
Q)お客様が、河野木材産業(資)を選ぶ一番のポイントは何だと思いますか?
一番は、木をふんだんに使った家造りへの安心感ですね。弊社にいらっしゃるお客様は、木造住宅を好きな方がほとんどですので、木の良さを感じることは重要なポイントのように感じます。あとは、意外なんですけど、しつこく営業をしてこないから信用できると言われることも多いですね。(笑)意識している訳ではないのですが、自分達がそういうスタイルが嫌いなんです。大手ハウスメーカーなどでは、営業マニュアルみたいなモノがあるように聞きますが、弊社では逆に意識しないように心がけています。マニュアルに沿って、無理に背中を押して契約していただくよりも、僕らの家造りのスタンスを気に入ったお客様と一緒にやりたいと考えています。それが、お客様も私達も、両方ウィンウィンになれることなので。
【インタビュー撮影後/手前)愛犬ケンティーと一緒に。会社のロゴにもなっています。】
■ 家庭円満なお客様ばかり。それが、大きな誇りと自信。
Q)最後に、河野代表の考える“いい家”とは
家族が住んで良かったなと思える家ですね。いくら機能性の高い家を造っても、そこで暮らす家族が幸せでなければ、家としての価値は半減してしまいます。設計の段階で、毎日の暮らしをイメージすることはとても重要なことです。特にリビングの場所には重きを置き、家の中心に据えることで、家族が集まり、お互いの顔を見て、会話が生まれ、想い出がたくさん出来るように心がけています。実は、弊社が家を建てたお客様で、家庭円満じゃない方はまだ1組もいないんですよね。(笑)これは、凄く素敵なことで、自分達にとって大きな誇りと自信を頂いています。
【インタビュー撮影後/事務所前にて】
取材後記)
宮崎県児湯郡にある事務所にお邪魔し取材させて頂きました。元大学講師の肩書き通り、一つひとつ分かりやすく質問に答える河野代表と、素敵な笑顔で気さくにお話頂いた奥様のかおりさん。「自分達のスタイルを気に入ったお客様と一緒にやりたい」という言葉通り、自然体が魅力のお2人。「家造りは、街造り。エリアの方に自分たちから歩みよっていかなければ!」という言葉が、とても印象に残りました。
今回は九州・宮崎で、<国産材にこだわり、エリアを大切にする匠>に出逢いました。
河野木材産業合資会社 〒889-1301 宮崎県児湯郡川南町大字川南13707
TEL)0983-27-0007 FAX)0983-27-0668
公式ホームページ → http://kawanomokuzai.net/