有限会社帯田建設|代表取締役 帯田 隆 氏
キイロ・プラス株式会社|代表取締役 帯田 康一 氏|長崎県西彼杵郡

【プロフィール】

左・帯田 隆氏) 大工職人として、(有)帯田建設を創業。無垢材・手加工にこだわり、柱と梁に樹齢80年以上の木材を贅沢に使った家造りが評判となる。良い木材を探す為に、全国各地を回るスペシャリスト。 
好きな言葉/「心(こころ)」 趣味/「木材を探しに日本全国を回ること、奥様とのドライブ」

右・帯田 康一氏) 父・隆氏の「木材へのこだわりを活かした家造り」を大切にした上で、若い世代層に向けたインテリア提案などに積極的に取り組む若き経営者。
好きな言葉/「感謝」 好きな音楽「ケツメイシ、GLAY」 趣味/「海釣り」


■ やっぱり、職人の世界がいい!カエルの子は、カエルなのかな。

Q)(有)帯田建設とキイロ・プラス(株)の業務内容と特徴について教えてください。

<康一氏>(有)帯田建設は、父が社長を務め主に新築の注文住宅を建てています。特徴としては、無垢材を使った木造住宅にこだわり、出来るだけ自然素材を使った家造りを創業以来の理念としています。キイロ・プラス(株)は、元々ハウス雑貨店としてスタートした後、6年前に会社化し、現在私が社長を務めています。最近では、ハウス雑貨の販売を入口にリフォーム受注を受けるまでに成長しました。グループ企業である2社で連携を図りながら、若年層~高年齢層のお客様ニーズに幅広く対応しています。

【キイロ・プラス(株)と(有)帯田建設は、同じ敷地内にある/長崎県西彼杵郡長与町】

Q)康一さんが、家造りの仕事をするきっかけは?

<康一氏>父親が、大工職人でしたから物心ついた頃から、建築現場によくついて行っていました。そのせいか、職業を意識する高校生くらいでは、当たり前に家造りという工務店の仕事が頭にありましたね。
<隆氏>小さい頃から、英才教育というか、家族で行くなら海よりも山で、「木はいいぞ~」と言い聞かせてきましたね。それが、成功したのかもしれませんね。(笑)
<康一氏>高校卒業時、設計を勉強した方がいいという父のアドバイスで、設計の専門学校へ行きました。しかし、あまり机に座っているのが性に合わなかったです。(笑)卒業後、設計関係の会社に勤めたのですが、中々気持ちが入らなくて。当時は、父のように大工として職人の仕事をしたい気持ちを抑えていました。そこで、父に気持ちを打ち明けて(有)帯田建設に入社し、イチから大工職人の現場として弟子入りしました。約6年間、父が信用する棟梁(親方)の下で色んな職人仕事を学ばせてもらいました。
<隆氏>戻ってきて、職人の世界でやりたいって言ったんです。やっぱりカエルの子は、カエルなのかな。(笑)ただ、職人の世界は、生半可な覚悟では生きていけないので、甘やかさないように一番信頼する棟梁(親方)に弟子入りさせました。怒られながらイチから始めて、約6年間よく頑張ってくれました。職人の世界の大切な部分を、肌で感じ身についたのかなと思います。

■ リフォームするお客様との接点を作りたい。ハウス雑貨のお店を開店。

Q)その後、キイロ・プラス(株)を立ち上げた経緯を教えてください。

<康一氏>はじめは、ハウス雑貨の店舗としてスタートしました。約8年前です。当時の(有)帯田建設は、ほぼ新築の注文住宅のみでやっていて、集客の仕方も、OBのお客様の口コミだけが頼りでした。私は、2代目として跡を継ぐと気持ちを固めながらも、色んな不安も感じていました。そこで、何か自分でも出来ることはないかと思い、リフォームするお客様との接点を持てるように、ハウス雑貨のお店を思いついたんです。


【店舗内にて/照明~ドアノブまで、様々なデザイン性の高いハウス雑貨が並ぶ。】

Q)社長である隆氏は、そのアイデアを聞いた時いかがでしたか?

<隆氏>正直、始めは何を考えているのか分からず、あまり相手にしていませんでした。隣のスペースが空いていたので、ショールームを作るつもりでいました。そうしたら、毎日家にいる時、朝から晩まで、ずっと「ハウス雑貨とリフォームが、絶対必要なんだ。」と言い続けるもんですから。そこで、根負けして「よし、やってみろ!」と言ったのが始まりでした。実は、自分で失敗して学ぶこともあるかと思っていました。(笑)
<康一氏>父が、そう思っていたのは、何となくわかっていたので、絶対成功してやろうと必死でしたね。まずは、若い世代のお客様が欲しくなるドアノブや、照明などの商品を集めるところから、少しずつ入手経路を増やしていきました。商品が揃い始めた頃、何となく口コミで「凄い品揃えの雑貨屋さんがあるよ」と話題になり、まずDIYのお客様が反応してくれました。そこから、徐々にリフォームのご相談も頂けるようになっていきました。
<隆氏>今では、長崎県内有数の品揃いと評判で、同業者からも受注を頂くほどです。リフォームだけでなく、若い世代のお客様から新築受注をもらえるまでに大きくなってきました。やはり、若い感性でトライすることは大切ですね。私も、改めて気付かされました。


【キイロ・プラス(株)店舗前にて/「アットホーム感」溢れるスタッフ一同。】

■ 壊したり、変えてしまったりするのではなく、何かを足せばもっとよくなる。

Q)「キイロ・プラス(株)」という会社名は、何か由来があるのですか?

<康一氏>これは、キイロ=木色に何かを+(プラス)することを意味しています。もっとお客様にとっての満足する家造りに近づきたいという想いを込めました。(有)帯田建設は、ずっと「木にこだわった家造り」を大切にしてきた会社です。これは、ぶれてはいけない幹の部分ですので、この部分に何を足していくかを考えていくのが僕の役目かなと思って会社名に込めました。

Q)これは、2代目として会社の後を継ぐ康一氏の想いですね。

<康一氏>そうですね。父のやり方があってこそ今の会社があるので、そこは絶対大切にしなければいけないと思っています。その上で、今の時代に合った新しい部分を融合させることを考えるべきだと。壊したり、変えてしまったりするのではなく、何を足せばもっとよくなるかと常に考えています。

【建築現場にて/職人としての技術を自社で受け継いでいく。墨付けから手加工までその仕事は幅広い。】

■ 「他の家と一緒じゃなくていいんですよ!」とお客様に伝えたい。

Q)隆氏の考える、守っていくべき「(有)帯田建設らしさ」とは、何でしょうか?

<隆氏>やはり、職人である僕らが木の良さを伝えていかなければいけないと思ってます。日本の家は、木材の良さを見せつけることが出来るはずなんです。お客様のニーズに合わせながら、一緒に出来上がりをイメージし作っていく。「他の家と一緒じゃなくていいんですよ!」とお客様に伝えたいんですよね。その為に、僕ら職人の技術と知識がある訳ですから。そういう意味では、弊社は、やはり職人が経営する工務店ですから、“これが本当の注文住宅だよね!”と言われなければいけないと思っています。この部分は、ずっと大切に守っていきたいですね。

【施工実績/リビングルーム(暮らしの中に心地よい贅沢なひとときを)】

【施工中の現場にて/柱と梁に使われる木材は、樹齢80年以上のモノ。】

■ 「お客様が、満足する家」木造住宅の良さを見せつけたい! 

Q)最後に、お2人の考える“いい家”とは?

<康一氏>お客様が、ストレスを感じない家ですね。居心地がよく、リラックス出来るのはとても大切な要素だと思っています。落ち着いて、心安らぐ為には、インテリアやデザイン面でも様々なサービスを提供していきたいと思っています。
<隆氏>ひと言で、言えば「お客様が、満足する家」ですよね。その為に、私達は知識や技術を貸すサポート役だと思っています。お客様に良かったと言って頂いた上で、木造住宅の良さを見せつけたい!と思っています。

【インタビュー撮影後/(有)帯田建設事務所正面玄関前にて】

取材後記)
長崎県西彼杵郡にある事務所にお邪魔し取材させて頂きました。父・隆氏の経営する(有)帯田建設の中で新しいプロジェクトとしてハウス雑貨事業を立ち上げ、分社化に成功した康一氏。職人としても尊敬する父の背中を見ながら、現在も時代に合わせ+(プラス)する何かを常に探し続けています。その姿を、頼もしく見つめる父・隆氏。九州・長崎に「木造住宅の良さを伝え続ける親子2代の匠」に出逢いました。


キイロ・プラス(株)  〒851-2126 長崎県西彼杵郡長与町吉無田郷2058-3
TEL)095-883-3325  FAX)095-883-1344
公式ホームページ → https://www.ki-iro.com/


Written by おとわさん
「常に社会情勢にアンテナをはる事務局きっての情報通。」 音羽 翔  ジャパン建材㈱営業推進部推進課 宮城県仙台市出身 AB型 小さい頃の夢/理科の教師 趣味/バスケットボール(学生時...