株式会社大庭工務店|代表取締役社長 大庭 健二 氏|大阪府大阪市

【プロフィール】

阪府大阪市淀川区出身。専門学校を卒業後、建設会社で現場監督を経験。その後、大工職人である父の下で家造りの世界へ。エリア特性としてニーズの多い15坪~20坪といった狭小地でのデザイン住宅を数多く手掛ける。「限られた条件の中でこそ、プロとしての創意工夫が試される」という考えを実践し、様々な賞を受賞し注目を集める。
モットー/「想いはカタチにしないと伝わらない」
最近読んだ本/「戦わない経営/浜口隆則(著)」
趣味/山登り(六甲山など)
家族/妻、長男(26歳)、次男(24歳)、三男(21歳)


■ 狭小地での家造りでは、創意工夫が必要。使い勝手の良い動線を生み出す。

Q)㈱大庭工務店の業務内容と特徴について教えてください。

弊社の業務内容としては、注文住宅・リフォームを行っています。特徴としては、狭小地での家造りにおいてパッシブデザイン含め創意工夫を凝らしています。限られた敷地を有効に使い、使い勝手の良い動線を生み出すことでストレスを減らし生活にゆとりが生まれます。都市部では、必ず出てくる制約のある敷地条件。その中からそれぞれの利点を読み取ることが求められます。また、機能性においても、耐震性はもちろんのこと、高性能な断熱材や健康への配慮などは、当たり前品質としてお約束しています。

【㈱大庭工務店/大阪府大阪市西淀川区】

Q)家造りの仕事をするきっかけは?

父親が、大工職人でしたので、物心ついた頃には当たり前のように施工現場について行っていたのが始まりですかね。高校生の頃には、木が手を加えることによって木材として人の役に立つモノに変わることが面白く感じていました。モノ創りが好きで、そのままこの世界を仕事にとなっていました。専門学校を卒業後、建設会社に就職し、現場監督を経験させてもらい、その後父の下で家造りの仕事をスタートしました。しかし、その後が凄く大変でした。バブルがはじけたタイミングで、一気に仕事がなくなったんです。父は職人気質で営業をするタイプではなく、もちろん自分も営業はできないと思っていたのでずっと仕事がなく、不安な時間が長く続きました。つらかったですね。

■ 「今やっている仕事をきちんと伝えないと、新しい出逢いはない」

Q)転機となったのは、いつ頃ですか?

2001年頃です。仕事が暇な時間に、勉強の為に色々なショールームを回っていました。その時に、現在弊社で採用している「スーパーウォール工法」に出会ったのがきっかけです。機能性に優れたこの工法を是非やってみたいと思ったのですが、当時は、新築物件は3年に1回受注するかどうかという感じだったので難しかったですね。そこから、真剣に新築を受注するにはどうしたらよいかを必死に考え始めました。同業者の集まる勉強会に積極的に参加し、他社の先輩方の話を一生懸命聞いてまわりました。
そこで、「今やっている仕事をきちんと伝えないと、新しい出逢いはない」ということに気付けました。
それまで、10年近くずっと悩んでいましたから、本当にありがたかったです。そこから、色んなことがいい方向に向かっていきました。集客の仕方をイチから考え直し、WEBサイトを作り情報発信を始めました。


【ミーティングルーム内/今まで手掛けた家造り・模型の数々。】

■ 最初のWEBサイト「15坪の玉手箱」が、お客様に届き受注に繋がる。

Q)WEBサイトは、集客として効果はありましたか?

最初に作ったWEBサイトは「15坪の玉手箱」というテーマで、「狭小地での家造り」に絞った発信をしました。大阪市内のエリア特性である、狭小地という建築条件の中で、創意工夫を凝らしお客様に喜んでもらおうと考えました。これが他社で断られていた狭小地のお客様などにも伝わり、たくさんの新築の依頼を頂くことに繋がりました。やっぱり、「想いはカタチにしないと伝わらない」と本当に思いました。嬉しかったですね。


【施工実績/LDK(こだわりの大人かわいいカフェの家)】

■ ブランディングとして、次のステップへ。お客様の幅を広げる為に。

Q)現在のWEBサイトは、2年前にリニューアルされたとお聞きしましたが?

ちょうど、現在の事務所に移転するタイミングに合わせWEBサイトもリニューアルしました。もちろん狭小地での家造りは、弊社の強みとしてありますが、もっと幅広い家造りを求めるお客様とも出逢いを作りたいと思い、性能面をきちんと情報発信する現在のスタイルにしました。ブランディングとして次のステップに進もうと考えました。その結果、お客様の層に幅が出来たような気がします。真剣に家造りを考えているお客様からのご相談が多く、こちらの話への理解度も高いです。凄く嬉しいですよね。会いたかったお客様の層が、どんどん増えていると感じています。


【ミーティングルーム内/お客様との写真は、大切な家造りの足跡。全てに想いが。】

■ 大手ハウスメーカーとの差別化。キーワードは「フットワークの軽さ」。

Q)大手ハウスメーカーとの差別化については、どう考えていますか?

一番大切なのは、「フットワークの軽さ」ではないでしょうか。大手ハウスメーカーは、定型の仕様がある為、新しい建材などでイイと思ったモノを採り入れることは簡単にはできません。我々の場合は、お客様にご提案し、了解さえいただければすぐに取り入れていくことが可能です。これは、常に品質を上げていくことが可能だということ。ただ、その為には、常に新しい情報を勉強していく必要があります。そうした意味でも「フットワークの軽さ」はとても重要だと考えています。

Q)大阪市内エリアでの家造りで難しい点は、何ですか?

やはり、狭小地での作業が多い為、近隣住民の方々への対応に神経を使うことですね。狭小地だけに境界線でもめたりすることがとても多いです。また、道路幅が狭く搬入などにおいても工夫しなければならないです。こうしたことも、プロとして求められる重要なスキルだと考えています。


【インタビューの合間に/お客様に支持される「アットホーム感」溢れるスタッフ一同。】

■ 真の意味でのローコスト住宅。お客様にとってのいい家を意識し続ける。

Q)お客様が、(株)大庭工務店を選ぶ一番の理由は何だと思いますか?

この質問は、弊社でもお客様によくお聞きしています。そこで、お客様から返ってくる答えは、「人」なんです。「スタッフが親身に相談に乗ってくれる」、「アットホーム感が半端ない!」、「面倒見が良い」など。性能が良いのは、勿論大切な要素ですが、やっぱり家造りは人を信用できないとダメなんだと実感させられます。嬉しく思う反面、もっともっと人間力を磨いていきたいと思っています。

Q)最後に、大庭社長の考える“いい家”とは

性能が担保され、デザイン性も兼ね備えている家であるのは大切なことです。その上で、真の意味でローコスト住宅であることも必要だと考えています。これは、30年~40年という長い年月を考えた時にいかにローコストであるかという観点で、家造りに取り組むことが求められていること。常にお客様にとってのいい家とは何かをプロとして意識し続けていかなければと強く思っています。

【インタビュー撮影後/事務所正面玄関前にて】

取材後記)
大阪府大阪市西淀川区にある事務所にお邪魔し取材させて頂きました。新築受注をする為に様々な創意工夫を繰り返し、現在のブランドを築き上げた大庭社長。「ちょっと疲れたと思って、少し立ち止まっただけで、すぐ受注は落ちてしまう。進化し続けないと滅びると思っています。」という言葉に、とても重みを感じました。大阪で「常に先を見据え、走り続ける匠」に出逢いました。


㈱大庭工務店  〒555-0033 大阪府大阪市西淀川区姫島5-1-3
TEL)06-6472-0628  FAX)06-6472-5667
公式ホームページ → https://obakoumuten.co.jp/


Written by おとわさん
「常に社会情勢にアンテナをはる事務局きっての情報通。」 音羽 翔  ジャパン建材㈱営業推進部推進課 宮城県仙台市出身 AB型 小さい頃の夢/理科の教師 趣味/バスケットボール(学生時...