株式会社大功|代表取締役 中村 寧 氏|千葉県松戸市

【プロフィール】

千葉県松戸市出身創業41年目を迎える㈱大功の2代目となる代表取締役社長。
大学卒業後、5年間の住宅資材メーカー関連企業での勤務の後、父の経営する㈱大功に入社。木材を中心とした建築資材の販売の営業に従事。代表取締役に就任後は、その業務内容をリフォーム事業にも拡げ、地域貢献イベント「㈱大功感謝祭」を立ち上げるなど新たな可能性を常に模索する行動派の経営者として注目を集める。現在、新プロジェクト「愉くらしの家」では、地元千葉大学との産学連携、宮大工職人との協業、地産地消などをテーマとした新規注文住宅の商品化に力を入れる。
好きな言葉/「出来るか、出来ないかではなく、やるか、やらないか。」
趣味/従業員との楽しい飲み会、マッサージ


地元松戸市で創業4年目を迎える老舗建築資材の販売~リフォームまで

Q)大功の業務内容と特徴について教えてください。

弊社は木材を中心とした建築資材の販売をメイン業務としてやってきました。今年で41年目を迎え(現会長が創業し私で2代目になります。現在は、リフォーム事業に加え、新しく注文住宅販売の事業化にも取り組んでいます。

【倉庫内に積まれている建築資材。】

Q)BtoBからBtoCへ新たな業務拡大。そのきっかけとなったのは?

い。ちょうど5、6年前から会社の新しく進むべき道を考えてきました。当時は、売上を拡大していく為にパワービルダーへの大量納品を行っていました。しかし、その時にどんどん会社の理念と実際現場仕事に乖離が生まれていたんですよね。仕事も経営も雑になっていたというか。そこでもう一度会社の理念である<地域密着と安心>に立ち返ろうと、思い切って会社の舵をきって、パワービルダーとの取引きをやめました。自分たちだからこそできる仕事をテーマに、地域に貢献し、需要を生み出す仕事とは何かを一生懸命考えてきました。そこで、気づいたのが<地域の人たちを巻き込むを大切にしていくということです。

■ 挨拶状のつもりで作った自社編集本。「安心してください。地域の一員ですよ!」

Q)「地域の人たちを巻き込む」というのは、具体的にどんな取り組みをされたのですか?

はい。まずは、自分たちのことを少しでも知ってもらいたいと思って「オイ!コラッ!大功」という本を自費出版で作り、近隣に無料配布しました。自分たちの会社の変遷や、想いなどを、PRというよりは「地域を大切にします」という約束をするような気持ちでまとめました。元々、父が創業した頃は、会社の近くには住宅も何もなかったのですが、時代と共にどんどん住宅が建ち始めたんですよね。建築資材の運搬用に大型トラックが出入りすることで、ご迷惑をかけているという気持ちも持ち始めていましたし、何をやってるのか分からない会社が近くにあるのは不安ではないかと思い「私たち、大功は地域の一員としてきちんと頑張りますよ!安心してください」という挨拶状のつもりで作りました。おかげさまで、この本をきっかけにたくさんの出会いが生まれました。ただ、少し予算をかけすぎて1冊500円のコストがかかってしまいましたが(笑)

自費制作本「オイ!コラッ!大功」/6年前、近隣住民との距離を縮める目的で制作し無料配布した。

■ 毎年10月に開催「㈱大功感謝祭」は、近隣住民の為の無料招待イベント。

Q)冊子の中でも紹介されていますが、「㈱大功感謝祭」というイベントを開催されていますが?

はい。これは、近隣の方々との交流の場として毎年10月の第3土曜日に行っているイベントで、近隣住民の方々を無料ご招待し、手作りのバーベキューや料理、バンド演奏などを楽しんで頂こうという企画です。3年には、約1000人超の来場者で賑わうほどに成長しました。今は、安全面を考慮し限定500名に制限して行っていますが、社員だけでなくメーカーや銀行の方々や近隣住民などたくさんの方々のご協力も頂き、とても大切な「手作りの文化祭」となっています。お客様の生の声を聞けるのは勿論のこと、このイベントを通じて様々な人との出会いのきっかけにもなっている大切な場所です出来る限り続けていきたいと思っています。


【地元貢献イベント「感謝祭」/無料で500人限定で近隣住民の方々に手づくり料理などを振る舞う。】

【事務所横「手作り家具直販スペース」/近隣住民の方々が気軽に立ち寄れる為に、常設している。】

Q)そうした出会いの中から生まれたのが、今回の新規プロジェクトなんですね?

はい。多分こうしたイベントなどを通してたくさんの信頼関係=安心を作らせていただいた結果が、今回の新規プロジェクトに繋がったと思っています。新しく注文住宅販売の業務を行うことは、とても勇気のいることでした。しかし、イベントなどで弊社の理念を発信し続けてきたことによって、それに賛同してくれる仲間がどんどん集まって形にすることができました

■ 新プロジェクト「愉くらしの家」は、想いの詰まった家造りへの挑戦。

Q)新プロジェクト「愉くらしの家」について、教えてください?

今回は、弊社が中心となり、「地産地消、宮大工による伝統構法、大学との産学連携」をテーマにした注文住宅の商品化を企画しました。プロジェクトメンバーは、千葉県にいる宮大工職人㈱工匠、デザイン事務所アトリエS.O.C、千葉大学などで、1年前からメンバーで議論をスタートさせようやく形になってきたところです。地元の県産材「サンブスギ」を大切に使い、想いを込めたデザインを、木の良さを知り尽くした宮大工が伝統構法で施工する。本来「家は買うものではなく、建てるもの」という私たちの想いを形にしました。

Q)この商品のキーワードとして「50代からの家造り」がありますが?

はい。この愉くらしの家は50代からの2回目の家造りをコンセプトに考えました。定年を迎えるにあたり、子育ても終え、今後の人生を考えるのが50です。今まで暮らしていた大きな家は老後には維持管理が大変なはずそこで今回は、増築ではなく、【減築】という考えをイメージしました。大きな家では掃除が大変だったり、階段の上り下りがキツイなどのライフスタイルの変化を考慮し、平屋の中で 安心を感じて頂けることに注力しています。売れる商品を考えることも勿論大切ですが、現代のライフスタイルに合わせて、求められているモノが何なのかを常に考えながらこの「愉暮らしの家」企画しています。

「愉くらしの家」WEBサイト/宮大工による伝統構法県産材「サンブスギ」にこだわる家造り。

「愉くらしの家」WEBサイト/設計デザインは、アトリエS.O.Cの一級建築士根来氏が担当。

愛着を持ってもらう為の「ワクワク、ドキドキ」をお客様に感じてもらう

Q)最後に、中村社長の考える“いい家”とは

やっぱりお客様が愛着を持って生活してもらえる空間ではないでしょうか。今回の「愉くらしの家」で大切しているのは、家造りのプロセスの中で「ワクワク、ドキドキ」を感じてもらうことなんです。使用する丸太を現地に見に行き、製材し、自然乾燥させ、その上で伝統構法の木組みで家を建てていく。こうした、ハンドメイドの作業を実感していただく中で家造りが大切に進んでいく過程も「ワクワク、ドキドキ」に変え、引き渡した後の愛着につなげていければと考えています。お客様に、「さすが!そこまでやるか㈱大功!!」と言っていただけるように頑張ります。

【インタビュー撮影後/事務所玄関にて】

取材後記)
千葉県松戸にある事務所にお邪魔し取材させて頂きました情熱の塊のような中村社長のお話は約2時間があっという間でした。リーマンショック後、取引会社の倒産など大変な時期乗り越えてきた経営者だからこそ「会社の理念に合った仕事を生み出したい」という言葉が、とても重みを持って伝わってきました。中村社長の人間力から生まれる人とのつながり。需要を生み出す人を巻き込む力を持った千葉の匠に出会いました。


㈱大功
2702221 千葉松戸紙敷1170番地
TEL)0473128777  FAX)0473927177
E-Mail)info@daikou-jp.com
「愉くらしの家」ホームページ → https://yukurashinoie.com/


Written by おとわさん
「常に社会情勢にアンテナをはる事務局きっての情報通。」 音羽 翔  ジャパン建材㈱営業推進部推進課 宮城県仙台市出身 AB型 小さい頃の夢/理科の教師 趣味/バスケットボール(学生時...